企画書ができたら、次は売り込みです。
売り込む方法としては、郵送、メール、訪問など、いろいろな方法がありますが、基本的には郵送かメールが良いと思います。
ただし…
規模にもよりますが、出版社には、毎日のように膨大な企画書が届きます。
もちろん、そういう売り込みをするということは、はじめての方がほとんどです。
そうなると、出版社としては、「そんな素人の書いた売れるか売れないか分からない企画書を読んでいる暇は無い!」となります。
たまたま暇な時間であれば見てもらえることもありますが、ほとんどの場合は読まれずに破棄されるのが実情です。
しかし、それしか手がないのですから、諦めずに継続していくしかないでしょう。
そこで登場するのが、出版プロデューサー。
出版プロデューサーは、自身のコネクションを活用して売り込みをかけて、着手時に定額、制約時に印税から数十%の報酬を受け取ります。
しかも、出版社へのコネクションがあるだけで、編集や校正ができるわけではありません。
つまり、悪く言えば、「ブローカー」です。
この職種、実は出版業界は快く思っておりません(個人の人柄で例外的に好かれている方もいらっしゃいますが…)。
出版社の言い分は以下の通り。
- 著者に何かあっても、編集や校正ができるわけではないので、何の責任も取らない。
- 自分達とのコネクションを商売に使われている。
- 印税に手を付けるので、著者のモチベーションは下がる。
- 自分の報酬は印税からなので、より印税が高くなるように定価や部数に口を出す。
などなど。
ここで、「お前も出版プロデューサーじゃないか!」と思われると思いますが、本業は編集プロダクションです。
編集プロダクションとは、出版社からの依頼を受けて、実際に本を制作する実行部隊です。
なので、当然、企画、編集、執筆、校正、デザイン、レイアウトなど、一通りの工程を承りますので、すでに多くの書籍のやりとりの中で出版社との信頼関係も築けております。
実際に出版社から発刊される書籍は、企画を立てて、著者を立てて提案する書籍もあれば、内容のみ指定されて、こちらでライターを手配して作る書籍もあります。
そして、同時に複数の出版社と複数の書籍の話しをしますので、頻繁に打ち合わせはありますし、その前後では日常会話もあります。
その日常会話で、どこの出版社がどんな企画を欲しがっているのか、どんな企画が喜ばれて、どんな企画書が読んでもらえるのかを聞き出しているため、ネタ探しや企画書の書き方、出版社への売り込みなどで的を射たアドバイスができるのです。
たぶん、弊社に限ったことではないと思います。
もし、企画書を売り込むのであれば、出版社ではなく、出版プロデューサーでもなく、編集プロダクションにするべきでしょう。