出版デビューするためには、著者になりたいという意志が必要です。
一見、当たり前のようですが、著者になるということは、本当に大変なことなのです。
その大変さを理解し、強い意志をもって取り組まなくては、大問題になりかねません。
逆に言えば、強い意志が必要なぐらい、いろいろなことがあるんです。
そのいくつかを紹介します。
まずは、企画書。
出版社は、簡単に企画書をくださいと言いますが、ボツだった場合はあっさりしたものです。
たとえその企画書を作るのに三日三晩寝ずに作ったものであろうと、売れない企画と思われたら、あっさりしたものです。
そこでかなりモチベーションを削られますし、腹立たしくも思うでしょう(実際に出版社の編集さんともめたケースもあります)。
それでも、そこを乗り越えなくては、出版デビューを果たせません。
何を言われても、何度でも挑戦する強い意志が必要なのです。
最初から出版社に好まれそうな企画書を書くことができれば、問題ありませんが…。
無事に企画が通ったら、今度は執筆。
執筆開始から本の発売日までは、多くの人の多くの工程を経ることになります。
つまり、原稿の遅れが、多くの方々に迷惑をかけ、へたしたら莫大な損失を出すことに発展する場合もあるのです。
我々業界内では、「親の死に目よりも締め切りが優先」というのが暗黙の了解となっておりますが、一般の方には不慣れな慣習だと思います。
それでも執筆する以上は、どんな状況であれ、数々のプレッシャーと戦いながら、締め切りを死守するという強い意志が必要なのです。
執筆が終了したら、いよいよ本が発売されます。
本は、発刊された時点で国立国会図書館に献本され、後世まで保管されます。
そして、読者はお金を払ってその本を買うのですから、それに見合う内容でなければ、頭にくるはずです。
これだけインターネットが普及した時代なので、読者が満足できなければ、2ちゃんねるやアマゾンのレビュー、ブログ、SNSなどで叩かれることもあるでしょう。
他にも、書籍として出てしまう以上、ブランディングにもなるかもしれませんが、少なからず世間に影響を与えることもあります。
良い影響ばかりなら良いのですが、必ずしもそうとは限りません(SEOの本で規約が変わった、いじめっ子がその本を読んでいた、など)。
また、取材なども発生し、著者として露出が増えると、もう公人と言っても過言ではないぐらいの状況になる場合もあります。
これらは、全てとは言いませんが、内容に関する著者責任が起因していると言えるでしょう。
しかも、この著者責任は、本が売られ続ける限り、継続するのです。
そういう責任が発生する以上、軽々しくブランディングやビジネスのためだけに本を出すのは控えた方が良いでしょう。
逆にそれを踏まえて、本を出したいと思えるだけの意思が必要なのだと思います。
ということで、出版デビューすることはとても魅力的ですし、華やかなイメージはありますが、その裏では目に見えないいろいろなコトがあります。
本気で出版デビューを目指すのであれば、著者になりたいという強い意志を持って挑むようにしてください。
そうすれば、きっと、本ができたとき、心の底から喜べるはずです。